初めて録音した自分の歌を聴いた日のことは、たぶん一生忘れないと思います。「誰この人」「なんか気持ち悪い」——安心してください。全員がそう感じます。そして、それは下手だからではありません。仕組みを知れば、落ち込む必要がないことがわかります。
普段聴いている自分の声は「あなたにしか聞こえない声」
自分の声は、空気を伝わってくる音に加えて、頭の骨を直接伝わってくる振動(骨導音)が混ざって聞こえています。骨導音は低音が豊かなので、普段の自分の声は実際より深く、太く聞こえている。録音には骨導音が入らないので、「軽くて高い、知らない声」に感じるわけです。
つまり、録音された声こそが他人がいつも聴いているあなたの声。気持ち悪いのではなく、初対面なだけです。
「気持ち悪い」の中身を分解すると成長が始まる
違和感には2種類あります。①声質そのものへの違和感(これは慣れの問題。2週間、録音を聴き続ければ薄れます)②歌い方への違和感——音程のズレ、リズムのもたつき、語尾の処理。こちらは伸びしろの発見です。
プロの歌手も、自分の録音を聴き込んで修正する作業を必ずやっています。録音を聴けること自体が、宅録勢の最大の武器です。カラオケで歌いっぱなしの人は、この振り返りができません。
録り音の「気持ち悪さ」を減らす環境の工夫
なお、違和感の一部は録音環境のせいでもあります。部屋の反響が入った録音は、実際以上に素人っぽく聞こえます。部屋の吸音の工夫をするだけで「あれ、意外と悪くないかも」に変わることは多いです。スマホの内蔵マイクなら、口元との距離を一定に保つだけでも変わります。
それでも直したい部分が見つかったら
聴き返して「高音で喉が締まる」「音程が不安定」のような具体的な課題が見えたら、そこからが練習です。独学で伸ばせる人と、教室を使ったほうが早い人の分かれ目はこちらの記事で詳しく書いています。ポイントだけ言うと、課題が「量」の問題なら独学、「フォーム」の問題なら外の目が必要です。
まとめ
- 録音声への違和感は骨導音の仕組み上、全員に起きる。下手の証拠ではない
- 録音の声が、他人の聴いているあなたの声。2週間で慣れる
- 違和感を「声質」と「歌い方」に分解すると、後者は伸びしろになる
- 環境(部屋の反響・マイク距離)でも印象は大きく変わる
録って、聴いて、直す。このサイクルを回せる人から上手くなっていきます。今日の録音は、その1周目です。


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