録音を聴き返すと入っている「ピチャ」「クチャ」という口の音(リップノイズ)と、「スーッ」という大きな息継ぎ音。歌唱力と関係ないのに、素人っぽさを一気に出してしまう音たちです。対策は録音前・録音中・録音後の3段階でできます。

録音前:体側の準備
- 水をこまめに飲む(口内の粘つきがリップノイズの主原因。録音中も手元に)
- 録音直前の乳製品・甘い飲み物を避ける(粘つきが増えます)
- リップクリームで唇の乾燥を防ぐ
- 緊張で口が乾くタイプの人は、録音前に軽く発声して口を「起こして」おく
録音中:マイクとの付き合い方
- 口とマイクの距離を15〜20cmに(近すぎると口の音を全部拾う)
- ポップガードを使う(破裂音だけでなく、息のかかりも減らせる)
- 息継ぎは「音を出さない」より「マイクから少し外して吸う」が現実的
- 静かなパートほど口の音が目立つ。ささやき系の曲は特に距離に注意
マイクタイプ別の起きやすさ
- コンデンサーマイク:感度が高く細かい音を拾いやすいため、リップノイズも目立ちやすい。距離と対策の効果が出やすい
- ダイナミックマイク:感度が控えめで口の音は拾いにくい傾向。ただし近距離で使うことが多いので油断は禁物
- スマホ内蔵マイク:口元との距離が一定しにくく、リップノイズが乗りやすい。意識的に距離を保つことが特に重要
録音後:編集での処理
録ってしまったリップノイズは、波形編集で1つずつ消すか、専用のノイズ除去機能で軽減できます。MIX師さんに依頼する場合、軽微なものは標準で処理してくれることが多いですが、あまりに多いと追加料金や品質低下の原因になります。「編集で消せるから雑に録っていい」にはならない、が実情です。
息継ぎは「消しすぎない」
意外かもしれませんが、息継ぎ音を完全に消すと、歌が不自然で機械っぽくなります。息づかいは表現の一部。目指すのは「うるさくない程度に自然に残る」状態です。MIX依頼時も「ブレスは自然に残してください」と伝えられると、仕上がりの解像度が上がります。
よくある勘違い
- 「マイクを変えれば解決する」は半分正解:機種による差はあるが、水分補給と距離の基本ができていないと効果は限定的
- 「編集ですべて消せる」は誤り:数が多いと不自然な無音区間ができたり、声自体の質感まで削れてしまうことがある
- 「上手い人はリップノイズが出ない」は誤り:プロでも普通に発生する。対策で減らすもので、ゼロにする必要はない
リップノイズが特に出やすい発音
- サ行・タ行など破裂音・摩擦音を含む言葉
- 長時間しゃべった後、口の中が乾いてきたタイミング
- 早口なフレーズで唇が忙しく動く箇所
該当箇所だけ録り直す・水を一口飲んでから再開するといった小さな工夫で、リップノイズの発生率はかなり下げられます。
よくある質問
リップノイズはどうしても録音に入りますか?
完全にゼロにするのは難しいですが、水分補給・距離の調整・ポップガードの3つで大きく減らせます。多少残っても編集で軽減できるので、過度に神経質になる必要はありません。
息継ぎ音は全部消した方がいいですか?
いいえ。息継ぎは歌の表現の一部なので、うるさくない程度に自然に残すのがおすすめです。完全に消すと不自然に聞こえます。
ノイズ除去ソフトだけで対応できますか?
軽度なものはソフトで軽減できますが、根本的には録音時の対策(水分・距離・ポップガード)が優先です。ソフトだけに頼ると音質が不自然になることがあります。
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録り音そのものを底上げしたいなら、定番コンデンサーマイクの選び分けも参考に。録音した自分の声が苦手な人は、気持ち悪いと感じるのは全員そうという話を知っておくと気が楽になります。
まとめ

- リップノイズ対策の基本は水分・距離・ポップガード
- 録りで防ぐのが最優先。編集での除去は最後の手段
- 息継ぎは消しすぎない。自然に残すのがプロっぽさ
- マイクタイプによって起きやすさは違うが、対策の基本は共通

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