録音がうまい人は、歌がうまい以前に準備がうまいです。録り直しの大半は、歌のミスではなく準備のミスから生まれます。この記事は、録音ボタンを押す前の10分でやることのチェックリストです。ブックマークして毎回使ってください。

環境のチェック(5項目)
- エアコン・扇風機・PCのファンを止めた(またはマイクから遠ざけた)
- スマホの通知をオフにした(録音中のバイブは全テイクを壊します)
- カーテンを閉めた・クローゼットや布団の近くにマイクを置いた
- 同居人に「30分録音する」と伝えた
- 水を手元に置いた
部屋の整え方の詳細は吸音の記事にまとめています。
機材のチェック(4項目)
- マイクとの距離15〜20cm・向きを確認(サイドアドレス型は側面が正面)
- ゲインを調整した(普通に歌ってメーターが緑〜黄色。サビの最大音量で赤にならないか確認)
- ファンタム電源オン・入力デバイスの選択を確認
- テスト録音を10秒して、イヤホンで聴いた
「録れているつもりが内蔵マイクだった」は宅録あるある第1位です。テスト録音の10秒をケチらないでください。トラブル時は音が小さい時のチェックリストへ。
歌う準備のチェック(4項目)
- 軽く声を温めた(いきなり本番の高音は喉に悪く、テイクも安定しません)
- 歌詞を画面か紙で見える位置に置いた
- オケを1回通しで聴いて、録る区切り(ワンコーラスごと等)を決めた
- 「今日はどこまで録るか」を決めた(全部録ろうとすると全部が中途半端になります)
録りながらのコツ(3つだけ)
- ワンコーラスずつ区切って録る。集中力は思ったより持ちません
- ミスしても止めずに最後まで歌い切るテイクも残す(つなぎ用に使えます)
- 「もう1回いける」と思った時のプラス1テイクが、だいたい採用されます
チェック漏れで起きる失敗、実例3つ
- 通知オフを忘れた:ベストテイクの録音中にLINEの通知音が入り、丸ごと使えなくなるパターン。機内モードにしておくのが一番確実です
- 水を用意し忘れた:後半で口が渇いてきて、滑舌が落ちたり音程が不安定になる。録音中に喉が渇いてから席を立つと集中も切れます
- 「今日はどこまで録るか」を決めなかった:ダラダラ録り続けて集中力が切れたテイクばかり残る。区切りを決めておくと、良いテイクが録れた時点で気持ちよく終われます
どのテイクを残すか、選ぶ基準
1曲につき3〜5テイク録るのが目安です。選ぶときは「上手さ」より先にノイズが入っていないかを基準にしてください。多少音程が甘くても、環境ノイズが入っていなければ後から直せます。逆にノイズ入りのテイクは、どんなに歌が良くても編集で救いにくいです。
- 1軸目:ノイズ・雑音が入っていないか
- 2軸目:出だしから終わりまで通して聴けるか(部分的に良くても全体のノリが大事)
- 3軸目:その中で一番自然に聴こえるテイク
よくある質問
チェックリストは毎回全部やる必要がありますか?
最初の3回くらいは全部やることをおすすめします。慣れると環境チェックの大半は「いつもの状態」になるので、機材チェックとテスト録音だけを毎回、環境チェックはたまに見直す運用で十分です。
10分もかけられません。もっと短縮できますか?
最低限やるなら「通知オフ」「テスト録音10秒」「ゲイン確認」の3つだけでも録り直しはかなり減ります。ここだけは削らないでください。
テスト録音で問題なかったのに本番でノイズが入ります。なぜ?
テスト録音のタイミングでは止まっていたエアコンやファンが、録音中に再起動して動き出すケースが多いです。可能なら録音前にブレーカーごと切る、または録音時間分だけ確実に止まる状態にしておきましょう。
録り音そのものを底上げしたいなら、定番コンデンサーマイクの選び分けも参考に。
まとめ

- チェックリストは、才能に関係なく録音の質を底上げしてくれる道具
- 環境5・機材4・歌4、合わせて13項目。最初は面倒でも3回やれば習慣になる
- テイクは「上手さ」より先に「ノイズの有無」で選ぶ
- 最低限「通知オフ・テスト録音・ゲイン確認」だけは省略しない
録り直しが減ると、歌うこと自体がもっと楽しくなりますよ。


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