初めて県外でライブをやったとき、収支を数えていませんでした。呼ばれたことが嬉しくて、行くこと自体が目的になっていたからです。帰ってから計算して、1人あたり1万円以上の持ち出しだったと気づきました。
遠征は、黒字になることはあまりありません。だからこそいくらまでなら出すかを先に決める必要があります。
結論:回収ではなく「持ち出しの上限」で決める
「何人来れば黒字か」から考えると、答えはだいたい「無理」になります。そこで止まってしまうので、順番を変えます。
- まず1人あたりいくらまで出せるかを決める
- 次にその金額に収まる行き方を探す
- 最後に来てくれた人数で、どこまで戻るかを見る
上限を決めておけば、誘われたときの判断が速くなります。毎回ゼロから相談しなくて済みます。
遠征でかかるお金の内訳
見落としがちなものを含めて並べます。
- 交通費(機材があると電車では済まないことが多い)
- 宿泊費(深夜移動で浮かせる場合は、翌日の疲労が代わりに出る)
- ノルマまたはチャージバック
- 現地での食事
- 機材の運搬(レンタカーなら燃料と駐車場も)
一番ぶれるのは運搬です。車を出せる人がいるかどうかで、金額が倍近く変わります。
何人来れば戻るのか
ざっくり計算します。チャージバックが1人あたり500円から1,000円、物販の利益が1人あたり500円前後とすると、来てくれた1人から戻るのは1,000円から1,500円です。
つまり総額4万円の遠征なら、30人前後で釣り合います。初めての土地で30人は、現実的ではありません。
ここで大事なのは、戻らないと分かった上で行くかどうかです。分かって行くのと、分からずに行って後から驚くのは、別のことです。
戻らなくても行く価値がある場合
採算が合わないのに行く価値があるのは、次の条件が付くときです。
- その土地にまた呼んでくれる相手がいる
- 対バンが、自分たちより少し先にいる
- 次に自分が呼べる相手が増える
- 音源や配信で、その土地からの反応が既にある
逆に、1回出て終わりそうな話は見送ってよいです。遠征は2回目から効き始めます。1回目は顔を見せただけで終わります。
2回目を決める基準
帰ってきたら、その日のうちに3つだけ見ます。
- 当日、初めて見た人が何人いたか(物販に来た人の数で分かる)
- SNSでその土地のアカウントから反応があったか
- また出たいかという自分たちの気持ち
3つのうち2つが良ければ、2回目を考えます。1つ以下なら、その土地は後回しにします。行ったから次も行く、で続けると消耗します。
金額の例|4人で片道300kmの場合
具体的な数字を置きます。地域や時期で変わるので、考え方の型として見てください。
- レンタカー(1日・ワゴン)+燃料+高速:往復で25,000円前後
- ノルマまたはチャージ:10,000円から20,000円
- 食事:4人で6,000円前後
- 宿泊なしで深夜に帰る場合:0円
- 宿泊する場合:4人で16,000円から24,000円
宿泊なしで合計41,000円前後、泊まると60,000円前後です。1人あたりで1万円から1万5千円の持ち出しになります。
宿泊を削ると金額は下がりますが、翌日が潰れます。翌日に仕事やバイトがあるなら、泊まる方が安い場合もあります。ここは金額だけで決めない方がいいところです。
先に確認しておくこと
誘われた時点で、聞いておくと後が楽です。
- ノルマかチャージバックか、1枚あたりいくら戻るか
- 機材は借りられるか(アンプとドラムが借りられるかで運搬費が変わる)
- 物販を出せるか、場所と手数料
- 出演順(トップバッターだと、他の客が入る前に終わる)
最後が見落とされがちです。知らない土地でトップバッターは、ほぼ身内しかいない状態で演奏することになります。それでも行く価値があるかは、別の判断です。
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357studioを見る →まとめ
- 黒字を狙わない。1人あたりの持ち出し上限を先に決める
- 費用で一番ぶれるのは機材の運搬
- 来てくれた1人から戻るのは1,000〜1,500円。4万円なら30人前後
- また呼んでくれる相手がいるなら、赤字でも価値がある
- 帰ったその日に3つ見て、2回目を決める


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