楽器が弾けなくても、楽譜が読めなくても大丈夫です。この記事は「タップする順番」だけで、iPhone1台でオリジナル曲の土台を完成させることを目標にしています。読みながらそのまま作業を進めてください。
始める前に決めること(3つだけ)
いきなり全部を作ろうとすると必ず手が止まります。最初に決めるのはこの3つだけで十分です。
- テンポ:迷ったら100〜110(多くのジャンルで扱いやすい中間の速さ)
- キー(調):迷ったらC(ハ長調)。白鍵だけで完結するので一番触りやすい
- 雰囲気を一言で:「明るい」「切ない」「疾走感」など、なんでもいい
GarageBandを開き、新規プロジェクト作成時にこのテンポとキーを設定します(あとから変更もできるので、ここで完璧に決める必要はありません)。
Step1:ドラムから作る(Drummerトラック)
作曲が初めての人が最初に楽器を弾こうとすると、ほぼ確実に挫折します。そこでまずドラムから作ります。
- トラック追加で「Drummer」を選ぶ
- 表示されるドラマーのキャラクターから、作りたい雰囲気に近いジャンル(Pop・Rock・Alternative等)のドラマーを選択
- 画面下の「Complexity(複雑さ)」「Loudness(音量)」のスライダーを動かして、好みのビートに調整
- 8小節ほど再生を続け、気に入ったら確定
ここでのポイントは「良いビートを作る」ことではなく、「曲の骨格となるテンポ感を体に入れる」ことです。ドラムが鳴っているだけで、次のステップが格段にやりやすくなります。
Step2:コード進行を先に決める(Chord Track)
メロディより先にコード進行を決めます。これがGarageBandで作曲するときの一番のコツです。
- トラックの左側にある五線譜アイコン(Chord Track)をタップして表示
- 各小節にコードを入力していく
コード進行を自分で考えるのが難しければ、次の定番進行をそのまま使って構いません(プロも日常的に使う、練習として一般的な方法です)。
- 王道進行:C → G → Am → F(明るく前向きな印象)
- 切ない系:Am → F → C → G(マイナー始まりで切なさが出る)
- 疾走感:F → G → Em → Am(サビ向き)
Aメロ用・サビ用で違う進行を2パターン用意しておくと、この後の作業が一気に楽になります。
Step3:コードに楽器を乗せる(Smart Instruments)
Chord Trackにコードを入れただけでは音は鳴りません。ここで「Smart Guitar」または「Smart Keyboard」を使います。
- トラック追加で「Smart Guitar」(または「Keyboard」)を選ぶ
- 画面下部に並ぶコードボタンの並びが、Chord Trackで設定したコードに自動で対応する
- コードボタンをタップ、もしくは指でなぞる(ストラム)と、そのコードのフルサウンドが鳴る
- トラック右上の「Follow」をオンにしておくと、Chord Trackの進行に自動で追従してくれる
指1本でコード楽器が弾ける状態になります。ドラムに合わせてコードボタンを叩きながら録音すれば、それだけで伴奏トラックが1本できあがります。
Step4:ベースを足す
- トラック追加で「Smart Bass」を選ぶ
- こちらも「Follow」をオンにすればChord Trackに自動追従
- パターンのバリエーションから、曲の雰囲気に合うものを選んで軽く録音
ドラム・コード楽器・ベースの3本が揃った時点で、もう「曲になっている」状態です。ここまでで最初のハードルは越えています。
Step5:メロディを鼻歌で作る
メロディは理論から考えるより、先に口ずさんでから採譜する方が圧倒的に早く形になります。
- コード伴奏を再生しながら、思いつくメロディを鼻歌で歌ってみる(何回か繰り返してOK)
- 気に入ったフレーズができたら、そのままボイスメモか、GarageBandの「Audio Recorder」トラックに直接録音する
- 録音した鼻歌を聴き直しながら、良かった箇所だけを残す・繋ぐ
「ちゃんとした音程で歌えているか」は今は気にしなくて大丈夫です。あとで自分で聴いて、良い部分だけ拾えば十分です。歌詞はまだ乗せなくてよく、「らー」「んー」のような仮メロディで構いません。
サビが思い浮かばない場合は、好きな曲のサビの「音の上がり下がりのパターン」を分析して真似るところから始めるのも、練習としては一般的な方法です(完成品として発表する場合は、既存曲の丸コピーにならないよう注意してください)。
Step6:曲の構成を組み立てる
パーツ(コード伴奏・ベース・仮メロ)が揃ったら、曲全体の流れを組みます。
基本の構成テンプレート:イントロ → Aメロ → Bメロ → サビ → 間奏 → Aメロ or Bメロ → サビ → アウトロ
最新のGarageBandには「Song Sections(曲のセクション)」機能があり、各セクションの長さや繰り返し回数を管理しながら組み立てられます。使えるバージョンなら、Aメロ用のコード進行・サビ用のコード進行をそれぞれセクションとして登録し、並べ替えるだけで曲の骨格が完成します。
セクション機能がない場合は、単純にトラックをコピー&ペーストして小節を伸ばしていけば同じことができます。
つまずきやすいポイントと対処
- 音が単調に感じる:コードは同じでも、コード楽器のストラムパターンやオクターブを変えるだけで印象が変わります。全部作り直す必要はありません
- メロディがコードに合わない気がする:気になる箇所だけ、コードトーン(そのコードの構成音)に近い音へ鼻歌を歌い直せば十分です
- 時間をかけすぎて飽きる:1回のセッションで「全部完成させよう」としないこと。今日はAメロとサビだけ、次回Bメロとアウトロ、で問題ありません
一番多い挫折パターンは「完璧を目指して手が止まる」ことです。今日は60点の完成を目指してください。ここから先の作り込みは、あとで何度でもできます。
書き出し方
一区切りついたら、左上のプロジェクト一覧から曲を選択し、共有ボタンから「ファイルに保存」または「曲を共有」でオーディオファイルとして書き出せます。Macを持っている場合は、そのままGarageBand for Macに転送して続きの作業をすることも可能です。
よくある質問
作曲にお金はかかりますか?
GarageBandはiPhoneに標準搭載、または無料でダウンロードできるアプリなので追加費用はかかりません。有料のループ素材や外部音源を使わない限り、初期費用ゼロで始められます。
どれくらいの時間で1曲完成しますか?
個人差はありますが、このロードマップの通りに進めれば、ドラム・コード・ベース・仮メロディまでの骨格は数時間程度で形にできます。歌詞や本格的なMIXまで含めた完成は、そこからさらに時間がかかります。
まとめ
- ドラムから作る(Drummer)
- コード進行を先に決める(Chord Track、定番進行を使ってOK)
- コードに楽器を乗せる(Smart Instruments、Followオン)
- ベースを足す(Smart Bass)
- メロディは鼻歌から採る
- パーツを並べて曲の構成を組む
- 60点で一度完成させる
この順番通りに進めれば、理論の知識がなくても「自分の曲」と呼べるものが今日中に形になります。



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