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PCで本格的に配信するなら定番ソフトが「OBS」。無料で高機能ですが、最初にぶつかるのが音声設定です。歌枠で「声が小さい」「BGMとのバランスが変」「音が二重に聞こえる」を防ぐ、設定の考え方とありがちなトラブルの直し方をまとめて解説します。

この記事が前提にしている動作環境
- OBS Studio 32系(執筆時点の最新は32.2.2)。項目名はバージョンによって少し変わることがあります
- Windows 10・11/macOS 13.0以降が公式のサポート対象です
- 「アプリケーション音声キャプチャ」はWindowsのみの機能です
まず確認する2つの入力
- マイク音声:あなたの声。オーディオインターフェース or マイクを選ぶ
- デスクトップ音声:PCから出る音(BGM・効果音)
OBSの「音声ミキサー」に、この2つが別々のバーで表示されているのが正常な状態です。片方しか無い・両方同じになっている場合は、設定→音声でデバイスを割り当て直します。デバイス一覧に自分のマイクが出てこない場合は、Windowsのサウンド設定側でそのデバイスが有効化されているか、他のアプリが排他制御していないかを先に確認してください。
オケ(BGM)の入れ方は3通り。先にどれで行くか決める
歌枠でいちばん詰まるのがここです。OBSに音を渡す方法が複数あって、選び方を間違えると「通知音まで配信に乗る」「オケだけ入らない」といった形で表に出ます。自分の環境に合うものを先に決めてから、下の初期設定に進んでください。
① デスクトップ音声:いちばん手軽。PCの音を全部流す
- 設定 → 音声 → デスクトップ音声に、PCの出力(スピーカー/ヘッドホン)を指定するだけ
- 短所:PCが鳴らす音が全部乗ります。通知音・DiscordのVC・ブラウザの別タブの音まで配信に入ります
- 向いている人:配信中はPCで他の音を鳴らさない人。まず動かしたい人
② アプリケーション音声キャプチャ:特定のアプリの音だけ流す
- ソースの追加から「アプリケーション音声キャプチャ」を選び、オケを再生しているアプリ(ブラウザ・音楽プレイヤーなど)を指定します
- Windows限定の機能です。macOSのOBSにはこのソースがありません
- 向いている人:通知音やVCを乗せたくない人。歌枠ではこれがいちばん扱いやすい
- 注意:指定したアプリを再起動すると掴み直しが必要になることがあります
③ メディアソース:音源ファイルをOBSに直接読ませる
- ソースの追加から「メディアソース」を選び、オケのファイルを指定します
- 曲ごとにソースを用意する形になるので、セットリストが決まっている配信に向きます
- OBSの中で音量を個別に持てるので、曲ごとの音量差をミキサー側でそろえられます
- 短所:曲を増やすたびに設定が増えます。リクエストを受ける配信だと回しにくい
オーディオインターフェースのループバックで返す方法もある
AG03のようにループバック機能を持つ機材なら、PCの音をマイクと混ぜて1本でOBSに返せます。ただしこの状態でデスクトップ音声も有効にすると同じ音が二重に乗るので、どちらか片方に統一してください。機材側の話は配信用ミキサーAG03は必要?にまとめています。
歌枠用・OBSの初期設定(5ステップ)
初めて歌枠をOBSで組むなら、この順番で設定すれば音まわりは形になります。
- 1. 配信先を登録:設定 → 配信 → サービス(YouTube・Twitchなど)とアカウントを接続
- 2. 音声デバイスを割り当て:設定 → 音声 → マイク音声にオーディオインターフェース、デスクトップ音声にPCの出力を指定
- 3. 音質の基本:設定 → 音声 → サンプルレートは48kHz、チャンネルはステレオ。出力(配信)→ 音声ビットレートは160〜256kbpsが目安
- 4. レベル合わせ:音声ミキサーで普通に歌って黄色ゾーン、最大で赤に触れる程度に。マイク側のゲインで大まかに、OBSのフェーダーで微調整
- 5. モニタリング:音声ミキサーの歯車 → オーディオの詳細プロパティで、マイクの音声モニタリングを「モニターオフ」または「モニターのみ(出力はミュート)」に。ここを間違えると音が二重になります
音がズレる(声とBGM・映像と音)ときの直し方
「obs 歌枠 音ズレ」は原因がいくつかあります。上から順に試してください。
- 声とBGMがズレる:オーディオの詳細プロパティで、片方のトラックに「同期オフセット」が入っていないか確認。0msに戻す。モニター用に足したオフセットが配信にも効いているケースが多い
- 映像より音が遅れる/早い:マイクや映像キャプチャのプロパティで同期オフセットを±数十msずつ調整。USBキャプチャ機器は映像が遅れがちなので、音声側にプラスのオフセットを入れて合わせる
- 配信の後半になるほどズレていく:PC負荷が原因。設定 → 出力の配信エンコーダをハードウェア(NVENC等)に、プレビューを閉じる、ほかの重いソフトを終了する
- BGMアプリ(Spotify等)だけズレる:アプリ音声キャプチャで個別に取り込み、そのソースで同期オフセットを合わせる
音ズレは「測ってから」直す(同期オフセットの決め方)
同期オフセットは、勘で入れると往復するだけで決まりません。一度測ってしまうほうが早いです。
- 1. 手を叩いて録画する。カメラに映る位置で1回、はっきり手を叩きます
- 2. 録画を見返して、映像と音のどちらが先かを確認する。動画編集ソフトでも、OBSの録画をそのまま再生してもかまいません
- 3. 音が先(映像が遅い)なら、音声側にプラスのオフセットを入れて遅らせます。音声ミキサーの歯車 → 詳細プロパティ → 同期オフセット(ms)
- 4. 100ms入れて、行き過ぎたら半分に戻す。この刻み方だと数回で合います。1msずつ動かしても違いは分かりません
- 5. 合わせたら、もう一度手を叩いて確認する。USBマイクとキャプチャデバイスで遅れ方が違うので、機材を変えたら測り直しです
なお、声とオケがズレる場合は同期オフセットではなく、オケの入れ方(上の3通り)とサンプルレートの不一致を先に見てください。48000 Hzで統一されていないと、長く配信するほど少しずつずれていきます。
レベル(音量)の目安
音声ミキサーのメーターは、普通に歌って黄色のゾーン、一番大きい声で赤に触れるかどうかが目安。常に赤なら音割れ、緑どまりなら小さすぎ。マイク側(インターフェースのゲイン)で大まかに合わせ、OBS側で微調整します。
- 常時赤(0dB付近に張り付く):インターフェース側のゲインを下げる。OBS側のフェーダーだけで下げると音質が荒れやすい
- 常時緑(-20dB以下):ゲインを上げる。それでも足りないならマイクとの距離を近づける
- BGMだけ大きい/小さい:デスクトップ音声のフェーダーを個別に調整。声とBGMは別バーなので独立して動かせる
ゲインを上げてもまだ足りない、常にノイズと隣り合わせで無理をしている感覚があるなら、機材側が力不足の可能性もあります。オーディオインターフェースのおすすめ比較も参考にしてください。
配信で定番のオーディオインターフェース
YAMAHA AG03MK2
Steinberg UR22C
どれを選ぶかの判断基準はオーディオインターフェースの選び方でまとめています。
価格・在庫は変動します。購入前にご確認ください。
録れるようになった、その次は。
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- ノイズ抑制:エアコン等の環境音対策。ただし歌ではかけすぎ注意(強弱を潰すことがある)。方式はRNNoiseがSpeexより自然にかかりやすい
- ノイズゲート:喋っていない時の小さな音を切る。歌の余韻まで切らない設定に。閉じるしきい値を下げすぎると語尾がブツ切れになる
- コンプレッサー:音量差をならす。トークは便利、歌は薄めか無しでも可。かけるならRatioは2:1〜3:1程度の軽めから
フィルターは「トーク配信の便利機能」が多く、歌では自然さを優先して控えめが基本です。配信で音が悪い原因の記事とあわせて調整してください。
よくあるトラブルと対処
- 音が二重に聞こえる(エコーがかかる):モニター出力の設定ミスがほとんど。「デスクトップ音声」を配信で使いつつ自分のスピーカーからも同じ音が鳴っていると二重になる。ヘッドホンでモニターするか、音声モニタリングを「出力のみ(配信のみ)」にする
- マイクの声だけ配信に乗らない:ソースのプロパティで「音声を無効化」にチェックが入っていないか確認。トラック割り当て(配信用トラックにチェックが入っているか)も見落としやすい
- Discordの通話音声まで配信に入ってしまう:デスクトップ音声を丸ごと拾っているのが原因。Discord側の出力先を仮想オーディオデバイスに分ける、またはアプリ音声キャプチャ機能で配信対象アプリを絞る
- 録画・配信を止めると音がズレていた:CPU負荷が高いと起きやすい。エンコーダーの設定を下げる、不要な常駐ソフトを閉じるで改善することが多い
配信前の10秒テスト
本番前に必ず「録画」ボタンで10秒テスト録画し、聴き返す。BGMと声のバランス、ノイズ、音割れを配信前に潰せます。リスナーに指摘される前に、自分の耳でチェックする習慣を。イヤホンではなく、できれば普段と違うスピーカー・イヤホンでも一度確認すると、環境依存の聞こえ方の違いに気づけます。
配信の機材を整えるなら、歌枠を始める最小機材セットから。
歌う曲の権利は、設定とは別に確認しておく
設定が整っても、曲の使用可否は別の問題です。配信先の許諾状況とオケの入手元によって扱いが変わるので、先に確認しておくと安全です。
設定を詰めても限界があります。先に揃えておくものを確認したい方は、マイクと一緒に買うもの完全リストにまとめています。
全体でいくらかかるかを先に見ておくなら宅録にかかるお金の全体像。最低ラインと、後から効いてくる出費にまとめています。
よくある質問
ノイズ抑制はどれくらいかけていい?
環境音が気になる範囲で最小限に。かけすぎると歌声の子音や余韻まで削れて不自然になります。まずは弱めにかけて、録画テストで違和感がないか確認してください。
マイク音声とデスクトップ音声、どちらを大きくすべき?
歌枠では声を主役にするのが基本です。BGMは声の邪魔にならない程度に絞り、声を聴かせたい部分でBGMがかぶらないか録画テストで確認しましょう。
設定を変えてもすぐに音が反映されない
OBSの一部設定はソースの再起動やOBS自体の再起動が必要な場合があります。設定後は一度配信を止めて数秒待ってから再確認すると、変更が正しく反映されているか判断しやすいです。
OBSの音声ビットレートはいくつにすればいい?
歌枠なら160〜256kbpsが目安です。音楽をしっかり聴かせたいなら256kbps、回線が細いなら160kbpsに下げます。サンプルレートは48kHz・ステレオに合わせておくと、機材やプラットフォームとの食い違いが起きにくいです。
歌枠で声とBGMの音がズレる
まずオーディオの詳細プロパティで各トラックの「同期オフセット」を確認し、不要なオフセットを0msに戻します。それでも直らない場合はPC負荷が原因のことが多いので、エンコーダをハードウェアに変更し、プレビューや常駐ソフトを閉じてください。
音ズレだけを詳しく知りたい場合はOBS歌枠の音ズレの原因と直し方にまとめています。
配信の声がこもって聞こえる場合は「録音した声がこもる原因と直し方|マイク・部屋・距離の順に潰す」にまとめています。
まとめ

- マイク音声とデスクトップ音声が別バーで表示されるのが正常
- レベルは黄色ゾーン、最大で赤に触れる程度
- 歌ではフィルターを控えめに(強弱を潰さない)
- 音の二重・音ズレ・Discord音声混入はモニタリング設定とトラック割り当てを疑う
- 配信前に10秒テスト録画で確認

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