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先に結論です。オーディオインターフェースは、マイクの小さな信号を増幅し、コンデンサーマイクに電源(ファンタム電源)を送り、音をPCが扱えるデジタルに変換する機械です。XLR接続のマイクで録るなら必要で、USBマイクで自分の声だけを録るなら無くても完結します。
歌ってみたを始めようとすると、必ずオーディオインターフェースという名前が出てきます。数千円から2万円くらいまで幅があって、しかも音が出る機械でもない。何のために買うのか分かりにくい機材です。この記事では、役割・無いと起きる実害・USBマイクとの違い・選ぶときに見るところを順に整理します。
この機械が実際にやっていること
役割は主に3つです。
- 増幅:マイクの小さな信号を、録音に使える大きさまで持ち上げる
- 給電:コンデンサーマイクに48Vのファンタム電源を送る
- 変換:アナログの音をPCが扱えるデジタルに変える(逆にPCの音をヘッドホンへ返す)
マイクから出てくる信号は、そのままではとても小さい。これを持ち上げるのがマイクプリアンプで、その増幅量を決めるつまみがゲインです。PCのマイク端子にもこの回路は入っていますが、通話向けの簡素なものが多く、歌の音量には届かないことがあります。ファンタム電源の仕組みはファンタム電源(+48V)とは?で詳しく説明しています。
無いと起きる3つの実害
抽象的な音質の話ではなく、実際に困る形で出ます。
1つめは音量不足。録ったデータが小さすぎて、後で持ち上げるとノイズまで一緒に大きくなります。
2つめは、コンデンサーマイクが動かないこと。多くのコンデンサーマイクはファンタム電源という48Vの給電が要ります。これを送れるのはオーディオインターフェースやミキサーで、PCのマイク端子からは出ません。
3つめは遅延です。自分の声がヘッドホンに戻ってくるまでに遅れがあると、歌いづらくなります。オーディオインターフェースにはダイレクトモニタリングという、PCを経由せずに自分の声を返す機能が付いています。遅延の対処はモニターの音が遅れて歌いづらいときの対処法にまとめています。
- 録音レベルが上がらず、後処理でノイズが目立つ
- コンデンサーマイクに電源を送れず、そもそも鳴らない
- 自分の声が遅れて返ってきて、歌のタイミングが取れない
USBマイクとの違い
USBマイクは、マイクとオーディオインターフェースが一体になったものです。つまり機能は最初から内蔵されています。違いを表にすると次のとおりです。
| 比べる点 | USBマイク | オーディオインターフェース+XLRマイク |
|---|---|---|
| つなぎ方 | PCにUSBで1本 | マイク→XLRケーブル→オーディオインターフェース→PC |
| 最初の費用 | 1万円前後から | 一式で2万〜4万円前後 |
| マイクの買い替え | 本体ごと買い直し | マイクだけ交換できる |
| 楽器や2本同時の録音 | 基本的にできない | 入力が2つ以上あればできる |
| 机の上 | すっきり | 機材と配線が増える |
USBマイクで足りる人
録るのが自分の声だけで、当面マイクを買い替える予定がなく、繋ぐ機材を増やす気もない。この条件なら、USBマイクで完結します。数を減らせるぶん、机も配線もすっきりします。
困るのは拡張したくなったときです。USBマイクは基本的にマイクを変えられません。楽器も録りたい、2本同時に録りたい、となった時点で買い直しになります。
どちらを選ぶかの分かれ目
「今日録れればいい」ならUSBマイク。「マイクを育てていきたい」ならオーディオインターフェースとXLRマイクの組み合わせです。
後者は最初の出費が増えます。マイク、オーディオインターフェース、XLRケーブル、スタンド。一式で考えると差は小さくありません。
ただしマイクを買い替えても本体は使い続けられるので、長く続ける前提なら回収できます。始めてすぐ辞めるかもしれない段階で無理に揃える必要はありません。
買うときに見るところ
数字のスペックより、必要な機能があるかを先に見ます。次の順に確認すると迷いません。
- 入力の本数:歌だけなら1本で足ります。弾き語りで声とギターを同時に録るなら2本要ります
- ファンタム電源(+48V):コンデンサーマイクを使うなら必須。ほとんどの機種に付いていますが念のため確認します
- ダイレクトモニタリング:歌いながら遅れなく自分の声を聞くための機能
- ループバック:配信もするなら、PCで鳴らしている音と自分の声を混ぜて配信ソフトへ送れます。後から欲しくなる機能なので、最初から付いているものを選んでおくと買い直しが減ります
- 接続端子:PCやスマホの端子(USB-Cなど)に合うかを確認します
細かいスペックの数字は、この価格帯では体感差になりにくいです。価格帯ごとの違いはオーディオインターフェースの相場、定番機の選び分けは初心者向けオーディオインターフェースの定番機で比べています。
この記事で触れたもの(定番モデル)
YAMAHA AG03MK2
Steinberg UR22C
Focusrite Scarlett Solo
どれを選ぶかの判断基準はオーディオインターフェースの選び方でまとめています。
価格・在庫は変動します。購入前にご確認ください。
よくある質問
PCのマイク端子に挿すだけではだめですか?
録れはしますが、音量が足りない、コンデンサーマイクが鳴らない、遅延が出る、といった問題が起きやすいです。ダイナミックマイクで大きめの声なら、とりあえず形にはなります。
安いものと高いものは何が違いますか?
入力の数、ループバックなどの機能、つまみの操作感が主な違いです。数字上のスペック差より、要る機能が付いているかで選んだほうが失敗しません。
ミキサーとオーディオインターフェースは違うものですか?
重なる部分があります。配信向けのミキサーにはオーディオインターフェース機能が入っているものが多く、その場合は1台で両方を兼ねられます。
スマホでも使えますか?
機種によります。USB接続で対応しているものもありますが、電源の供給や変換ケーブルが必要になることがあります。スマホ中心なら、スマホ用の外付けマイクのほうが手間が少ないです。
まとめ
- 増幅・給電・変換の3つをやる機械
- 無いと音量不足・コンデンサーマイクが鳴らない・遅延が起きる
- 自分の声だけを録り、拡張しないならUSBマイクで完結する
- 選ぶときは入力の本数・ファンタム電源・ダイレクトモニタリング・ループバックを先に決める


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