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モニターヘッドホンを調べると、必ず開放型と密閉型が出てきます。音の好みの話だと思われがちですが、宅録では実用上の理由で片方に決まります。結論から言うと、自分で歌を録るなら密閉型、録音せずミックスだけするなら開放型でもいいです。1本だけ買うなら密閉型を選び、編集で不満が出てから開放型を足す順番が無駄になりません。
開放型と密閉型の違いは「音漏れ」
密閉型はハウジング(耳を覆うカップ)の外側が閉じています。音が外に出にくく、外の音も入りにくい構造です。開放型は外側に穴やメッシュがあり、音が通り抜けます。そのぶん音がこもらず、広がりのある鳴り方になります。
| 比べる点 | 密閉型 | 開放型 |
|---|---|---|
| 音漏れ | 少ない | 多い(周りにも聞こえる) |
| 外の音 | 入りにくい | 入りやすい |
| 聞こえ方 | 近く・まとまって聞こえる | 広がりがあり自然 |
| 長時間の快適さ | 蒸れやすく圧迫感が出やすい | 抜けがよく疲れにくい |
| 歌の録音 | 向いている | 伴奏がマイクに入りやすく不向き |
| ミックス・編集 | 使える | 好まれることが多い |
この構造の差が、そのまま用途の差になります。音質の優劣ではありません。
録音中は密閉型しか選べない
歌を録るとき、ヘッドホンからはオフボーカルが鳴っています。開放型を使うと、その音が漏れてマイクに入ります。入ってしまった伴奏は、後から取り除けません。自分の声だけを編集したいのに、伴奏が薄く混ざった状態になります。
静かな曲や、マイクを近づけて録る場合ほど目立ちます。コンデンサーマイクは感度が高いので、ダイナミックマイクより漏れを拾いやすい点にも注意してください。これは好みではなく、録音が成立するかどうかの問題です。
今のヘッドホンで漏れが入るかは、次の手順で確かめられます。
- いつもの位置にマイクを立て、ヘッドホンを着けて伴奏を流します
- 自分は歌わずに、伴奏だけを10秒ほど録音します
- 録れたものの音量を大きくして聴き、伴奏が聞こえるか確かめます
- 聞こえるなら、モニターの音量を下げるか、密閉型に替えるのが確実です
編集では開放型が好まれる理由
密閉型は耳を覆うので、長時間つけていると蒸れます。圧迫感もあり、疲れやすい傾向があります。開放型は抜けがよく、音の広がりが自然に感じられます。左右のどこで鳴っているか(定位)が分かりやすいと言う人も多く、ミックスで何時間も向き合うなら、この差は効いてきます。
ただし外の音が入るので、静かな環境が前提になります。家族の生活音が入る部屋や、夜に音漏れが気になる環境なら、密閉型のほうが集中できます。
1本だけ買うなら、どっちか
宅録で歌を録るなら、迷わず密閉型です。理由は単純で、開放型では録音そのものが成立しないことがあるからです。編集の快適さは、録音が成立しないことに比べれば小さな問題です。
| あなたの使い方 | 選ぶもの |
|---|---|
| 自分で歌を録る | 密閉型 |
| ミックス専門で録音しない | 開放型でもいい |
| どちらもやる | 密閉型から。あとで開放型を足す |
| 家族の生活音が多い部屋で作業する | 密閉型 |
そもそも普通のイヤホンで足りるかを迷っている人は、モニターヘッドホンは必要?普通のイヤホンとの違いから読むと判断しやすいです。予算の目安はモニターヘッドホンの相場で整理しています。
この記事で触れたもの(定番モデル)
モニターヘッドホン 密閉型
MDR-CD900ST
AKG K240
どれを選ぶかの判断基準はモニターヘッドホンの選び方でまとめています。
価格・在庫は変動します。購入前にご確認ください。
見落としがちな装着感
音より先に、続くかどうかを決めるのが装着感です。
- 側圧:締め付けが強いと30分で頭が痛くなることがあります
- 眼鏡との相性:テンプル(つる)がイヤーパッドに当たって痛む機種もあります
- イヤーパッドの素材:合皮は遮音しやすい反面、夏に汗で不快になりやすいです。ベロアは蒸れにくい傾向があります
- ケーブル:カールコードは伸びて動きやすい反面、重さがあります。ストレートは軽いですが、長さを確認します
スペック表からは読み取れない部分なので、可能なら実機を試すか、交換用イヤーパッドがある機種を選ぶと後が楽です。また、モニターの音が遅れて歌いづらい場合はヘッドホンではなく設定の問題なので、モニターの音が遅れるときの対処法を確認してください。
よくある質問
半開放型はどっちに入る?
中間です。開放型ほど漏れませんが、密閉型ほど遮音されません。録音に使うなら、伴奏だけを流して録ってみて、漏れが入らないか確認してから判断してください。
密閉型だと音がこもって聞こえる?
構造上、開放型より閉じた鳴り方になります。慣れの問題である場合も多いですが、気になるなら編集用に開放型を足す形が現実的です。
録音と編集で1本ずつ買うべき?
余裕があればそのほうが快適です。ただし最初から2本は要りません。密閉型1本で録音と編集の両方をこなしている人はたくさんいます。
遮音性が高ければノイズキャンセリングでもいい?
録音には向きません。ノイズキャンセリングは信号処理をするため遅延が出ることがあり、音の聞こえ方も加工されます。ワイヤレスも遅延が出るので、録音は有線のヘッドホンで行ってください。
まとめ
- 違いは音漏れ。音質の優劣ではない
- 録音では漏れがマイクに入るので密閉型が前提
- 編集の快適さでは開放型に利がある
- 1本だけなら密閉型。編集で不満が出たら開放型を足す
- 漏れは「伴奏だけ録ってみる」で確かめられる


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